障がいをもつ相続人を法律的に支援する制度です。
2000年4月から始まった認知症、知的障がい、精神障がいなどによって物事を判断する能力が十分でない方について、本人の権利を守る援助者(「成年後見人」等)を選ぶことで、本人を法律的に支援する制度。2017年12月時点で21万人の方が利用されています。
判断能力が喪失した後でも始められますが、本人の財産を守る・維持することが原則のため、家族のためには使いづらくなることがあり、また途中で取り止めることができません。また、専門家が後見人となった場合、財産額に応じて月2万円~6万円の報酬を支払う必要があります。
成年後見制度は、大きく分けると、法定後見制度と任意後見制度の2つがあります。
●法定後見制度
「後見」「補佐」「補助」の3つに分かれており、判断能力の程度など本人の事情に応じて制度を選択できるようになっています。
成年後見人等は、本人のためにどのような保護・支援が必要かなどの事情に応じて、家庭裁判所が選任することになります。本人の親族以外にも、法律・福祉の専門家その他の第三者や、福祉関係の公益法人その他の法人が選ばれる場合があります。成年後見人等を複数選ぶことも可能です。また、成年後見人等を監督する成年後見監督人などが選ばれることもあります。
●任意後見制度
本人が十分な判断能力があるうちに、将来、判断能力が不十分な状態になった場合に備えて、あらかじめ自らが選んだ代理人(任意後見人)に、自分の生活、療養看護や財産管理に関する事務について代理権を与える契約(任意後見契約)を公証人の作成する公正証書で結んでおくというものです。そうすることで、本人の判断能力が低下した後に、任意後見人が、任意後見契約で決めた事務について、家庭裁判所が選任する「任意後見監督人」の監督のもと本人を代理して契約などをすることによって、本人の意思にしたがった適切な保護・支援をすることが可能になります。
【参考】